三大うま
成分は【イノシン酸】【グルタミン酸】と【グアニル酸】

うま味物質としては数種類が世界的にありますが、三大成分と知られているものにグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸が挙げられます。グルタミン酸はたんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の中の一つ。また、イノシン酸、グアニル酸は核酸に分類されます。

これらのうま味物質はさまざまな食品に含まれています。グルタミン酸は昆布や野菜などに、イノシン酸は魚や肉類に、グアニル酸は干しきのこ類に多く含まれています。

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出典:特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター



【グルタミン酸】


【グルタミン酸】は、もとをたどれば体内のタンパク質の一部。人の体内の20%はタンパク質でできていますが、これを構成するのが鎖状につながった20種類のアミノ酸で、【グルタミン酸】はそのうちのひとつです。タンパク質は、細胞の主成分。体をつくるのに不可欠なものなので、人は体内で自然と【グルタミン酸】を合成するシステムを持っています。そんな【グルタミン酸】が豊富に含まれている食材は次のとおりです。

グルタミン酸を含む主な食材
昆布、トマト、タマネギ、アスパラガス、ブロッコリー、グリーンピース、チーズ、緑茶、マッシュルーム、ビーツ など
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【イノシン酸】


【イノシン酸】は、【グルタミン酸】がアミノ酸の構成成分であるのと違って、核酸を構成する成分のひとつです。人の体内では毎日細胞が新しく生まれ変わっていますが、細胞が生まれ変わるときに欠かせないのが核酸。ちょっと化学的で難しい話になってきましたが、核酸には2種類あって、ひとつが遺伝子の本体DNA。もうひとつが遺伝子の情報処理を行うRNAだというと、少し分かりやすくるのではないでしょうか?【イノシン酸】は、主に動物性の食材にたくさん含まれています。

イノシン酸を含む主な食材
カツオ、カツオ節、イワシ(煮干し)、サバ、鶏肉、豚肉、牛肉 など
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【グアニル酸】

この【グアニル酸】も、【イノシン酸】と同じ核酸のひとつ。しかしさっと頭に浮かぶ【グルタミン酸】や【イノシン酸】に比べて、この【グアニル酸】はついつい忘れがち(笑) なぜだか考えてみると、ほかのふたつに比べて【グアニル酸】は含まれている食材がごく僅かだからかもしれません。

グアニル酸を含む主な食材
干ししいたけ、のり、ドライトマト、乾燥ポルチーニ茸 など

干ししいたけ以外で【グアニル酸】を含んでいる食材には、のり、ドライトマト、乾燥ポルチーニ茸などがありますが、含まれている【グアニル酸】の量を見てみると、干ししいたけがダントツです。
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もそも【うま味】って何!?

うま味が発見されてから100年以上がたち、うま味(UMAMI)はシェフや食に関心の高い人々を中心に世界中で注目を集めています。うま味は、甘味、酸味、塩味、苦味に続く5 番目の味です。これら5つの味はほかの味を混ぜ合わせてもつくることのできない独立した味であり、「基本味」と呼ばれます。
※学術的には、うま味はグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸にナトリウムやカリウムなどのイオンが結合した塩類(グルタミン酸ナトリウムなど)の味として定義されています。

なかなか理解している人は少ないのかもしれませんが、よく聞いたり言ったりする「おいしい」「ウマい」「うま味がすごい」など。そもそも【おいしさ】と【うま味】は下記のようにまったく別ものなんです。日本うま味調味料協会では下記の様に定義されています。

【おいしさ】
味だけでなく匂いや食感、その場の雰囲気や体調など、
多くの要因に影響されて感じるもの。
【うま味】
5つの基本味(甘味・酸味・塩味・苦味・うま味)の一つで、
独立した味を指す公式の呼び名。
うま味はタンパク質を摂取したことをからだに知らせるシグナルの役割を果たしています。うま味を感じることによって唾液や消化液が分泌され、タンパク質の消化をスムーズに進めることができるのです。
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【うま味】は掛け合わせると乗効果が生まれて“よりおいしく!”

【うま味】は、それ一つでも十分に効果を発揮するものであるのですが、2つ以上を掛け合わせると、さらに美味しくなる(旨味が増す)と言う【相乗効果】があります。特に、アミノ酸系のグルタミン酸と、核酸系うま味物質であるイノシン酸やグアニル酸のうま味の組み合わせが、うま味を強くさせると言われています。うま味が飛躍的に強くなることが知られることから、「うま味の相乗効果」と呼びます。
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たとえば、日本ではグルタミン酸[アミノ酸系]を含む昆布 ☓ イノシン酸[核酸系]を含むカツオ節で出汁をとりますよね。海外でも、グルタミン酸を含む香味野菜 × イノシン酸を含む肉でスープの出汁をとります。「うま味の相乗効果」が発見されたのは1960年のことですが、それよりもずっと前から世界各地で経験的に料理に活かされてきたのです。
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本人だけの味覚なの?

実はこの【うま味】、今から約100年前に日本人が発見したものなんです。【うま味】が発見されるまでは、基本味が甘味・酸味・塩味・苦味の4つから構成されると考えられていました。

甘味のもと砂糖や酸味のもとである酢は、古くから調味料として使われてきたもので、塩にいたっては紀元前から人類が親しんできたもの。この4つのどれもに当てはまらない味があることを突き詰めた人がいました。昆布に着目し、ここから【グルタミン酸】を抽出。それを5つめの味【うま味】と命名したのが1908年のことでした。その後、1913年にカツオ節のうま味物質【イノシン酸】を発見。【グアニル酸】がうま味物質であるという発見は、ヤマサ醤油の研究所によって1957年にされました。

5つめの味【うま味】は、第一回うま味国際シンポジウム(1985年)で世界に発信されると、英語でも【umami】と呼ばれるようになり、今や世界中の料理人や美食家たちが注目する世界共通語となっています。
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『日本人からすると旨味は、甘くもしょっぱくもない、全く別の味です。それを認識できたのは、日本人が、素材を生かす食で研ぎ澄まされた味覚を有していたためです。2000年にマイアミ大学のニルパ・チャウダリ教授らが舌で旨味を感じる受容体を発見し、旨味が5つめの基本味となることが確定しました。』





『日本人は旨味に対して敏感であるようだ。先ごろAISSY株式会社が実施した味覚力調査でも日本人の旨味正答率は71%だったのに対し、外国人の正答率は34%。実に2倍以上の差が出た。』





『おいしい料理にはうま味が重要らしいと話題になっているけれど、どの味がうま味なのか、よくわからない。うま味とはどんな味で、どうしてヨーロッパ人はうま味がよく理解できないのか。』
出典:うま味は外国人には特定しにくい - もぐらぼ https://mog-lab.com/2019/01/---4.html
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研ぎまされた味覚の持ち主「日本人」

日本という土地が和食を築いてきたのです。



『旨味たっぷりの昆布やかつお節を食べているうちに自然と旨味を感じる力が育っていったんですね。』





『私たち日本人は、白米で甘さを感じ、おいしく味わいます。欧米人が甘さを感じるのは蜂蜜や砂糖ですが、明らかに白米の方が甘さ控えめです。日本人は、白米で甘さを感じられる味覚を持ってきたのです。』





『その秘密は日本が島国だったことにあります。アジアやヨーロッパの他国が肉食文化を選んだのに対して、海に囲まれ、多様でおいしい魚介類がいつでもとれる日本は自然と魚食文化になっていきました。』





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乳や私たちの体にも含まれる、身近なうま味成分

うま味は生まれたばかりの赤ちゃんにとって大切な味です。母乳のなかには、うま味物質のグルタミン酸が豊富に含まれています。母乳は私たちにとって初めてのうま味との出会いと言えるでしょう。

生まれたばかりの赤ちゃんはうま味を識別することができます。味覚は身体に必要な栄養素を取り込むためのシグナルの役割をしているのです。 赤ちゃんは酸味や苦味を嫌いますが、甘味やうま味を含んだ野菜スープなどでは、その心地よい味を好むことが知られています。
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食品を成させる事でうま味成分はグーンと増加

味噌や醤油、魚醤などの発酵食品や、チーズや生ハムなどの熟成を伴う食品は、グルタミン酸が豊富に含まれています。

そして、食品の熟成とうま味成分には深い関係があります。例えばトマトは真っ赤に熟すに従い、グルタミン酸が増加。肉類や魚類も時間の経過によってたんぱく質が分解されてアミノ酸の一つであるグルタミン酸が増えます。筋肉中にエネルギー源として蓄えられていたATPが分解されてイノシン酸になり、肉や魚に含まれるうま味成分が増えます。 チーズや生ハムなども熟成期間中にたんぱく質が分解されることによってアミノ酸が増加してうま味成分であるグルタミン酸が増えていくことが知られています。
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たとえば生ハムの場合、豚のもも肉を塩漬けし、乾燥させて丹念に熟成させますが、このあいだにグルタミン酸の量は約 50 倍にもなります。また、チェダーチーズやパルミジャーノ・レッジャーノなどの長期熟成タイプのチーズは、発酵・熟成の過程で乳中のタンパク質が分解され、グルタミン酸が大幅に増加しています。
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まとめ

「うま味」というのは基本五味のひとつで、「おいしさ」とは異なるれっきとした「味」です。日本においてはこの基本を覚えておくのがいいですよ。

グルタミン酸 → 昆布
イノシン酸 → カツオ節
グアニル酸 → 干ししいたけ
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また、デリケートな味。淡く微妙な味。舌に広がるような、舌全体が包み込まれるような味。長く余韻の残る、持続性のある味。唾液が出て口のなかが潤うような感覚……。うま味を体験し、その味を理解したシェフたちは、うま味の特徴をこのように表現したりています。

うま味は甘味や塩味よりも舌全体の広い範囲で感じられることがわかっています。そして、酸味が唾液の分泌をうながすことはよく知られていますが、実際にはうま味のほうが唾液の分泌をうながし、その効果は長く持続することが明らかにもなっています。唾液によって味を感じたり、スムーズに食物を飲み込んだりする機能のカギを握っているのです。
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日本のだし、フランスのブイヨン、中国の湯(タン)、素材や使い方は違いますが料理には欠かせないものですよね。その成分を分析すると、いずれもうま味物質であるグルタミン酸やイノシン酸が多く含まれ、強いうま味が感じられます。西洋でも、東洋でも、うま味は上手に使われているんです。
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さいごに、うま味は減塩にも効果を発揮します。是非、料理に使う塩を少し減らして「だし」を使ってみてください。化学調味料や市販のだしの素などでなく、簡単でもいいので「だし」をとるのがポイントです。ペットボトルに水と昆布を入れて冷蔵庫に入れておいたり、干ししいたけは戻しやすい細切りを用意しておいたり、自分は昆布茶や肉や野菜を煮たスープも有効に使いますよ。

いつまでも健康に“おいしいモノ”を食べていきたいですしね!
(だしソムリエ でもある いついな より)






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